三日月のうた

三十一文字とそれにおさまりきらないこと。「ことば」について考える日々。記事のタイトル≒短歌のお題 です。

紫陽花って。

雨の日の濡れた葉の裏かたつむりやさしさ包む涙色の花

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今年はなんだか空梅雨気味ですが…

 

雨の日に似合う花といえば

やっぱり…紫陽花(アジサイ)でしょうか。

 

紫陽花って

英語では

hydrangea

水の器

という意味があるそうです。

 

たくさんの水をたたえて

しっとりと咲く姿は

 

ちょっと憂鬱にもなりがちな

この梅雨の時期にぴったりのお花ですよね。

 

紫陽花って

七変化

っていう別名があるのもご存知ですか?

 

紫陽花のピンクや青い色は

土のpHに関係しているらしい

 

というのは有名なお話。

 

でもそれだけではなくて

 

紫陽花って

咲き始めから少しずつ

その色や姿が変わっていく

 

そんなところからつけられた名前だとか。

 

 

この数週間のうちにも

姿を変えた紫陽花の写真があるので

 

いくつかご紹介しますね。

 

▼ご近所のランニングコースの青い紫陽花。

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2017.06.05撮影

                               ↓

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2017.06.15撮影

この青い紫陽花の中に

☆(星)がひとつあるんですが…花びらが5枚の…わかりますか?

ライラックだったらラッキーライラックなんだけどな。

 

 

▼職場近くのマンションの花壇の紫陽花。

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2017.05.31撮影

                                          ↓

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2017.06.14撮影

 

▼うちのアナベルという種類の紫陽花。

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2017.05.30撮影

            ↓

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2017.06.07撮影

            ↓ 

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2017.06.10撮影

            ↓ 

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2017.06.11撮影

 

同じ場所の同じ紫陽花でも

ずいぶんと変わりますよね。

 

ほんと、自然のチカラってすごいなと思う。

 

アナベル

黄緑っぽい色からどんどん白くなっていく品種。

 

他の紫陽花に比べて

花がふわふわやわらかいような。(気がする。)

 

紫陽花の代表的な花言葉

 

その移り変わる姿から

「移り気」

というのに対して

 

アナベルはその深まる白からか

「ひたむきな愛」

という花言葉があるんですよー。

 

一途な感じ

あらわれてますよね。

 

咲いたあとにもドライフラワーにしたりと

ずっと楽しめる人気のある品種です。

 

 

紫陽花って

ずっとずーっと昔から

日本にあったようですよ。

 

そう

ずっとずーっと昔…

 

このブログで昔々といえば…

そう万葉集の時代!!

 

万葉集

紫陽花のことが詠われた短歌が

やっぱりありましたー。

 

 

言問はぬ木すら味狭藍(あじさい)諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり

大伴家持 巻4 773)

 

物言わぬ木でさえ、紫陽花のように移り変わりやすい。

諸弟らの巧みな言葉に、私は騙されてしまったよ。

とか。


紫陽花の八重咲く如やつ代にをいませわが背子見つつ思はむ(しのはむ)

橘諸兄 巻20 4448)

 

紫陽花のように群がって咲く花のように、いつまでも健やかにおいでください。

この花を見るたびにあなたを想います。

とかなんとか。

 

この二首だけなんです。

 

 

万葉集って

たしか奈良時代…。

 

え、えぇ…

かすかに覚えていますよ…

 

奈良時代ね…。(遠い目…。)

  

 

実は

紫陽花って

もともとは花としてはあまり人気のない花だったそう。

 

奈良時代から存在していたと記述があるのに

今のように観賞用として人気が出たのは

なんと第二次世界大戦以降とか。

 

 

平安時代を代表する書物

源氏物語』『枕草子』『古今和歌集』などには

一切、紫陽花の記述がないようです。

 

たくさんお花、出てくるのに。

 

日本原産の紫陽花は

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▲上の写真のように絵の額縁のように「花」がついた

ガクアジサイ(額紫陽花)なんだそう。

 

紫陽花の「花」って

みなさんご存知のように

 

装飾花という

ほんとうは萼(がく)の部分。

 

言ってしまえば葉っぱみたいなものなんだそうで。

 

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▲本当のお花はこの中に集まった小さい方。

 

この小さな小さな花が咲き終わったあとも

その装飾花は残り

それがまた枯れていくまで変化する

 

紫陽花って

そんなお花です。

 

以前、旅のことを書いたとき

 

岩手の山の中で見つけた紫陽花は

たぶんヤマアジサイの仲間で

この原種に近いもの?

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今、出回っている紫陽花に比べると

少し控えめな印象かも。

 

 

一方、よく見かける手まり咲きと呼ばれる

まあるくこんもり花のついた紫陽花は

ホンアジサイ

 

ヨーロッパなどに渡って品種改良されて逆輸入されるようになったものは

セイヨウアジサイというそうです。

 

その他にも今ではたくさんの品種があって

それぞれに特徴がありますね。

 

八重咲きのものとか

色もいろいろな色があって。

 

 
それなのに

ずっとずーっと昔からある紫陽花

 

人気がなかったのは


なんでも
亡くなった方に手向ける花だったからではないか

とか。

 

彼岸花と同様

土葬の土を固めるために

 

挿し木で容易に増える(土に枝を挿しておくと根が生えて育つ)

紫陽花を植えたから。。


お寺に紫陽花の名所が多いのは
それゆえにというお話もあります。

それからもう一つ。

ちょっと気になる記述も。

 

「紫陽花」という漢字を当てたのは

 

 平安時代歌人

  源順(みなもとのしたごう)

という人だそうですが

 

本当は

中国の「紫陽花」と日本の「アジサイ

違う花なのにその漢字を使ってしまったとか。

 

でも

それ以前からあったアジサイ

安知左井

という漢字が当てられていたことも。

 

その頃、その安知左井の他に

 

止毛久佐(しもくさ と読める)

またぶり草

 

とも呼ばれ

 

これは

紫陽花の葉っぱを 落とし紙

 

つまり今でいう

トイレットペーパーとして使っていたから

 

というお話。

 

えぇ。

そうなんです。。

 

今でも使われている地域もあるとか。

 

もし紫陽花に

そういうイメージがついてしまったら

 

そのお花を歌に詠むこと

観賞用に楽しむってこと

 

あんまりなかったかもしれませんよねー。

 

 

でも、

今では紫陽花のきれいなお寺が

観光名所になるくらい

 

紫陽花って人気です。

 

京都とか

鎌倉とか…

紫陽花で有名なお寺、ありますね。

 

みなさんのお近くにも

紫陽花の名所 ありますか?

 

 

▼ご近所のカシワバアジサイ。葉が柏の葉っぱに似てるとか。

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▼ご近所のたぶんカシワバアジサイの仲間。すごいこんもり。

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▼渦紫陽花(ウズアジサイ)。おかめアジサイとも。まるくてかわいい花びら。

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紫陽花って

きれいです。

 

雨の日には

下を向いて歩きがち。

 

そうすると気分も沈みがち。

 

でも紫陽花を見たら

少し元気になりますね。

 

雨の日って

少し落ち着いて過ごせる日。

 

紫陽花をしっとりと愛でて
ちょっとひと息
ついてみるのもいいかも。

 

紫陽花の咲く季節には逢いたくて急に湿り気を帯びる手のひら

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雨上がりふとふり返る帰り道君にいてほしい紫陽花の道

 

最後まで読んでくださって

ありがとうございました☺︎

 

お題「雨の日」

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