三日月のうた

三十一文字とそれにおさまりきらないこと。「ことば」について考える日々。記事のタイトル≒短歌のお題 です。

桜って。其の三。~桜回廊2017~

日が沈む前に桜の並木道
通り抜ければ青い月と宙

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▲とっておきの桜並木。

 

桜って

やっぱりなんだかせつないですね。

 

秋の紅葉もそうだったけれど

移りゆく姿があまりにも潔くて。

 

でも今年の桜はいつもの年より

少しだけ

 

ためらいがちなそんな姿も。

 

週末のお天気は

いまひとつのところが多いよう。

 

春のほんのひとときの開花の時期に

晴れてるか晴れてないか

 

それだけで

桜って

見せる(魅せる?)表情もちがう気がします。

 

かたく細い枝にあった蕾が

少しずつふくらんで

 

遠くから見るとだんだんと

ピンクに変わる枝ぶりもほころんで

 

満開になって

そのうちに

はらはらと風に舞う。

 

待って待って

と言っても

待ってはくれず

 

はらはらはらはら桜は散って

川に流れたり

地面に落ちたり

 

朽ちて姿が見えなくなるまで。

 

そんな桜。

 

しばらくご無沙汰していた百人一首の歌のご紹介は

「桜」に関する歌です。 

 

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▲ご近所の例の霊園ソメイヨシノも満開に。

 

花の色は うつりにけりな いたづらに

わが身世にふる ながめせし間に

  小野小町 小倉百人一首9番)

桜の花の色はすっかり色あせてしまった。

何日も雨が降っている間に。

そして私もぼんやりと眺めているうちに

美しいときを過ぎてしまったわ。

 

とかなんとか。

 

雨が降っているうちに

色あせてしまうんでしょうか。

今年の桜も。

 

それから

ひさかたの 光のどけき 春の日に

しづ心なく 花の散るらむ

  紀友則 小倉百人一首33番)

日の光がおだやかにさしている春の日なのに

どうして桜の花は散ってしまうんだろう。

 

とか。

 

いにしへの 奈良の都の 八重桜

今日九重に にほひぬるかな

  伊勢大輔 小倉百人一首61番)

その昔、栄えていた奈良の都で咲いた

八重桜が京におくられて

今日、宮中で美しく咲いています。

 

とかとか。

 

もろともに あはれと思へ 山桜

花よりほかに 知る人もなし

  (前大僧正行尊 小倉百人一首66番)

わたしが君をいとおしく思うように

わたしのこともいとおしいと思っておくれ、山桜。

おまえ以外にわたしの気持ちをわかってくれる人はいないのだから。

 

とか?

 

そして

高砂の 尾の上の桜 咲きにけり

外山の霞 立たずもあらなむ

  (前中納言匡房/大江匡房 小倉百人一首73番)

向こうの高い山の峰の上の桜が咲いたよ。

人里近い山の霞よ、どうかたたないでおくれ。

 

とか。

 

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

ふりゆくものは わが身なりけり

 (入道前太政大臣/藤原公経 小倉百人一首96番)

桜の花を誘って散らす嵐の吹く庭で

降るのは花びらの雪ではなく

古くなって年老いたわたし自身なんだなぁ。

 

とかとか。

 

「桜」に関係する歌は

全部で6首でした。

 

思っていたより少ないですか?

 

以前、春に関する歌をご紹介したときに

「花」といっても

「梅」のこともあれば

「桜」のこともあると触れたのですが

 

桜にしぼるとこのぐらいでした。

 

 

桜って

百人一首の時代からあって

 

ずーっとずーっと日本の風土に根付いて咲いてきた花なんだなと

改めて思ったり。

 

でも

毎年毎年、

当たり前のように咲く桜も

実は当たり前なんかじゃなくて

 

毎年毎年、

同じように咲いているように見えても

ほんとうは同じなんかじゃなくて

 

繰り返しつつも螺旋を描きながら変わっていく

そんな花なんじゃないかなと思ったりも。

 

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こちらも例の霊園ソメイヨシノ。手の届くところまで枝が伸びています。

 

 

桜って

何がそんなに魅力的なのかなと思っていたのですが

 

ただ、きれいだな

ただ、美しいな

 

もちろんそうですが

でも改めて見てみると

 

桜って

 

まず

ひと枝に対する花の量がちがう!

 

写真で改めてみると

似たようなピンクのお花の梅や桃よりびっしり

咲いていますよね。

 

そして

その花の量のちがいからか

 

はらはらはらはら散る時の姿は

やはり他の花とは一線を画すような気がします。

 

桜吹雪とはよく言ったものですよね。 

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▲とっておきの桜並木。その2。

 

桜って

もちろんひと言ではまとめられなくて

 

人それぞれに

思い出や思い入れのある花であると思うのですが

 

今回は最後に

私のとっておきの桜並木のご紹介です。

 

2017年4月7日午後
朝から降っていた雨が上がり

晴れて青空が広がりました。

 

夕方、

日の沈む前に急いで写真を撮りに。

 

晴れているときの

満開の桜を撮りたい!

その一心で。

 

昨年から続けている運動

ランニングでよく通るコースは

 

実は桜並木の道です。

 

葉が落ちて

ずっと枯れたような枝が広がっているだけだった

見晴らしの良い道が

 

春になると一斉に

文字通り生き返ったようになる姿を

撮っておきたくて。

 

ではではもう少し

お付き合いくださいね。

 

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▲ランニングには最適な車の通りの少ない道。

 

私のランニングコースは

サイクリングロードの一部でもあって

 

田んぼへ水を供給する用水路のわきを通る

ちょっと道幅の狭いコースです。

 

桜並木を挟んで農道もあるので

歩行者専用というわけではないのですが

たまにしか車も通りません。

ロードバイクもしかり。

 

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▲この日、久しぶりの晴れ間と満開が重なって、テレビ中継もされていました。

 

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▲それでも人通り車通りともに少なくて、ほんとにのどか。

 

桜の向こうに広がるのは、まだ水の入っていない田んぼです。

 

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▲サイクリングロードは大きな道路と交差するまでこんな感じが続きます。

 

この辺りの桜は平成になってから植樹されたらしいけど

結構大きな木になっています。

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▲農道側からの桜並木。

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▲約2kmぐらいはこんな感じ。

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▲夕陽があたってきれいでした。

 

というわけでへたっぴながらも

動画も撮ってみたのでどうぞ▼

youtu.be

※自転車に乗りながらiPhone片手に撮ったのでちょっとだけ揺れます。

 

 

この桜並木

江戸時代からあるという用水路のわきに植えられた

「桜回廊」と呼ばれる桜並木の一部。

 

その桜のほとんどが

戦後から少しずつ

市民や企業の寄付などで植えられたものだそうです。

 

いつもはほんとに周りに何もなくて

ちょっと物足りないと思ってた頃も。

 

この並木をずっと行くと

あるのは田んぼ、畑や公園。民家。

 

コンビニもないんです。

(あ。もちろん、ちょっと大きな通りに行けばありますよ。)

 

でも年々

桜が立派に育って

きれいだね、きれいだね、と見ているうちに

 

他にこんな場所ってないんだな

実はとってもいいところなんじゃない?

と思うように。

 

今は

ご紹介するのがうれしいような

でもちょっと、ヒミツにしておいてほしいような。

(なので街の名前は控えさせてくださいね。)


いつまでも静かで美しい景色であってほしい。

みなさんにずっと大切に愛される場所でありますように。

と思っています。

 

桜って

やっぱりきれいですね。

 

とっておきの桜があったら

誰かに見てほしい。

 

そして

大切な人と

見たくなります。

 

みなさんの

とっておきの桜はどんなですか?

 

ではでは長くなりましたが

最後まで読んでくださって

ありがとうございました。

 

もう少し

桜、たのしめますように。

良い週末を。

 

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静かなる秒速5センチメートルの雪があなたに降り積もるまで

 

今までの桜のエントリはこちら▼

tamie7575.hatenablog.com

tamie7575.hatenablog.com

 

お題「桜」

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