読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

三日月のうた

三十一文字とそれにおさまりきらないこと。「ことば」について考える日々。記事のタイトル≒短歌のお題 です。

冬の朝って。

 まだ宵の星の光にたすけられ
 今日をはじめる まずは湯沸かす

 f:id:tamie7575:20161212172542p:image

 

冬の朝って

 

明るくなるのが遅くて

寒くて

眠いですよね。

 

私は朝

お弁当を作ったり

朝ごはんの支度をする必要があるので

わりと早く起きます。

 

でも最近は

やっぱり寒いし

布団はあったかいし

 

目覚ましが鳴っても

ついうとうとしてしまったり。

 

思いきって起きないと

なかなか起きられません。

 

f:id:tamie7575:20161212172843p:image 

 

小倉百人一首をはじめ

 

和歌には

「朝になるところ」をあらわす言葉が

いくつか出てきます。

 

小倉百人一首の中だけでも

「朝ぼらけ」

「あかつき」

「ありあけ」

など

 

なんとなく「朝になるところ」なんだろうな~

と思うような言葉なのですが

 

よくよく意味がわかっていないかも

と感じることも。

 

今回は

その「朝になるところ」に関する歌をご紹介しながら

「朝になるところ」をあらわす言葉のちがいを少し

 

考えてみたいと思います。

 

 

 今来むと いひしばかりに 長月の
 ありあけの月を 待ち出でつるかな

   (素性法師 小倉百人一首21番)

 

今行きますと、あなたがおっしゃるものだから

九月の明け方の月が出るころまで

待ってしまったじゃないですか。

「月」という言葉を用いた歌で登場)

 

とか

 

 ありあけの つれなく見えし 別れより
 暁ばかり 憂きものはなし

   (壬生忠岑 小倉百人一首30番)

 

夜明け方の月がつれなく空に残っていた

よそよそしくつれないあなたとの別れ以来

夜明けほどつらいものはないですよ。

 

とか

 

 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
 なほ恨めしき 朝ぼらけかな

   (藤原道信朝臣 小倉百人一首52番)

 

夜が明ければ日も暮れるものだとは

わかっているけれど

それでもやはり恨めしい明け方なのですよ。

 

とか

 

 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
 あらはれわたる 瀬々の網代

 (権中納言定頼/藤原定頼 小倉百人一首64番)

 

夜がほのぼのと明ける冬の朝、

宇治川に立ちこめた霧が途切れながら

晴れてきて

だんだんとあらわれてくる浅瀬の網代木だよ。

「川」に関する歌で登場)

 

とか

 

 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
 ただありあけの 月ぞ残れる

  (後徳大寺左大臣/藤原実定 小倉百人一首81番)

 

ほととぎすが鳴いたばかりの空を眺めると

ただ明け方の月が残っているばかりだなぁ。

 (「鳥」に関する歌で登場)

 

とかとか。

 

f:id:tamie7575:20161212172604p:image 

ここに出てきたのは

「ありあけ」「暁」「朝ぼらけ」

ですが

 

それぞれ

 「ありあけ」

まだが残っている明け方のこと

 

「暁(あかつき)」

夜明け前のまだ暗いときを

 

「朝ぼらけ」

日の出前の空が明るくなってくるとき

 

をあらわす言葉のようです。

 

小倉百人一首には出てきませんが

 

他にも夜が明ける頃の

 「朝になるところ」をあらわす言葉に

 

顔が分かるか分からないぐらいの暗さを

「彼誰時(かわたれどき)」

(『君の名は。』に出てきましたね)

 

暁よりもほのぼのと少し空が白んでくる頃を

「東雲(しののめ)」

「曙(あけぼの)」

 

他にも

「朝まだき」

「黎明(れいめい)」

「薄明(はくめい)」

などがあるようです。

 

まだ暗いうちから順に書いてみると

 

 

 ↓

朝まだき ≒ 彼誰時

 ↓

東雲 ≒ 曙

 ↓

朝ぼらけ ≒ 黎明

 ↓

薄明

 ↓

ありあけ(月が出ている)

 

という感じで良いでしょうか。

 

なんかちがうな?と思った方は

ご指摘いただければうれしいです。

 

 

時計のなかった時代

「朝になるところ」といっても

 

それをあらわす

たくさんの言葉があったんだなぁ

と思うと

 

感慨深い気持ちになります。

 

同じように

「夜になるところ」

たくさんの言葉があるんですよね。

 

そちらもまたいずれそのうち。

 

f:id:tamie7575:20161212172746p:image 

 

時をあらわす「言葉」

そのひとつひとつを知ることが

その言葉を発した人の心を知る手掛かりになると思うと

 

ことばを知ることがどれだけ大切か

わかるような気がします。

 

それにしても

冬の朝って

 

寒いですよねぇ。

あたたかくしてお過ごしを。

 

最後まで読んでいただいて

ありがとうございました。

 

f:id:tamie7575:20161212172825p:image 

 まだ空に星がうとうと冬の朝
 裏のおじさん エヘン。とひとつ

 

 

お題「冬の朝」