三日月のうた

三十一文字とそれにおさまりきらないこと。「ことば」について考える日々。記事のタイトル≒短歌のお題 です。

言の葉って。

 東屋の 陰その向こう ひっそりと
 あの人がいる 風に吹かれて

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言の葉の庭という作品を、ご存知ですか?

 

君の名は。』でも知られる 新海誠 監督の作品で

何年か前の映画なのですが

その小説を読んだ時に、詠んだ歌です。

 

内容については、別の機会があれば…というところで

 

私の印象に残っている場面、

たぶん多くの方がこの作品のイメージとして持たれている場面だとは思うのですが

 

都会の中であることを忘れるような

緑豊かな公園(モデルは新宿御苑のようです)にある

東屋での二人の出逢いの場面があります。

 

物語の中で

主人公の二人が平日の雨の日に限って

何度かその東屋で会うのですが

 

雨ではない日

二人がそれぞれ東屋へ向かい

たいせつな「あの人」がそこにいてくれた時の

嬉しさのような、胸がときめくような

そんな気持ちが表わせたらなと思いました。

 

 

この作品の中では、一章が終わる毎に

万葉集から一つ短歌が載せられているんですよね。

 

物語の中でも万葉集

相聞歌(そうもんか)という

お互いに歌を送りあう歌も

出てきます。

 

雨にちなんだ歌ですが。。

 

主人公の女性が、自分が古典の先生だということを

暗に伝えるために引用した歌。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り

 雨も降らぬか 君を留めむ

 

雷が少し鳴っていますね。空が曇って

雨でも降らないかな。

そうすれば、あなたがここにいてくれるのに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

これに対する返歌がこちら。↓

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 鳴る神の 少し響みて 降らずとも

 吾(わ)は留まらむ 妹(いも)し留めば

 

雷が少し鳴っているね。雨なんか降らなくても

私はここにいますよ。

あなたが引き留めてくれるなら。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

和歌が盛んな時代には

お互いに歌をまるでLove Letterのように送りあうことも

よくあったそうで。

ちょっと羨ましいですね。

 

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ところで、

「言の葉」って

何のことだと思いますか?

 

『古今和歌集』仮名序

 

やまとうたは ひとのこころを たねとして

よろづの ことのは とぞなれりける

 

と書かれているそうで

 

和歌は 人の心を種に 

言(こと…今の言葉というような意味)が

(葉っぱが茂るように)

たくさんの言の葉になったもの

 

そんな感じの意味になりそうです。

 

人の心を種に…

"ことば"が歌になる。

 

言の葉って

 歌になった"ことば"のこと 

と言っていいでしょうか。

 

言の葉の庭』は

 

それぞれの想い

言えなかったこと、伝えたかったこと

そんな「言葉」にできない

"ことば"がたくさん溢れた作品でした。

 

 ↓『言の葉の庭』映画の予告編はこちら。

www.youtube.com

 

エンディングテーマ Rain:秦基博 はこちら↓

www.youtube.com

 

↓ちなみに『君の名は。』の映画は2回観ました!

www.youtube.com

 

君の名は。』についても

いつか詠んでみよう。